1976年頃、FM東京で放送されていた「FM25時」シリーズ。
金曜の夜、正確には土曜日の午前1時に始まるシリーズの一つ、
深沢道子さんがパーソナリティをつとめていた「男の心、女の心」。
「アスペクト・イン・ジャズ」(油井正一)とともにオープニングの曲がとても印象的でした。
当時エアチェックしたCMT が2本あるので、曲名を採録してみました。
どうも録音時間の関係で録音時にカットした曲があるようです。
オマケとして、TUT-Code入力の練習を兼ね、
テープ起こし(transcribing) のまねごともしてみました。
記憶ではソフトでちょっとハスキーな声のイメージだったんですが、
意外に早口なんで、さわりだけでも結構な文字数になりました。
鼻音というのでしょうか、鼻にかかる声が美しいですね。
J&B がお贈りする男の心、女の心。
この時間に目をさましていらっしゃるあなた、
そしてこの番組を聴いておいでのあなたはどんな方でしょう。
今、何をしていらっしゃるのかしら。
近頃めっきり大人びた息子が志望高校に無事合格。
奥様をねぎらいながら二人だけの祝宴をなさっておいででしょうか。
おめでとうございます。
それとも、あなたは車の中、
自分だけの世界をつくってハンドルさばきの感触を楽しんでいらっしゃいますか。
スピードにお気をつけ下さいましね。
つい今しがたまで仲間と政治談議。
ままならぬ世相や政治の貧困さをなげきながら、
かさねたJ&B のグラスの数。
やっと家(うち)にたどりついて、
我家の平和にほっとしていらっしゃるんでしょうか。
どこで、何をなさっていらっしゃるんでしょう、あなたは。
これからの時間、くつろいだ姿勢とのんびりとした気分で、
私(わたくし)と一緒にお過ごし下さいませんこと。
私、私、深沢道子、精神科のカウンセラーです。
もつれた人間関係の糸をとくお手伝い。
それでなくても神経につきささるような、
心の肌をさかなでされような事件の多い今日この頃。
とげとげしいやりとりの中で、
真面目で自分に正直であるろうとすればするほど、
そしてナイーブな心の持ち主ほど、
心も身体もつかれてしまいます。
対人関係のもつれ、自分の中に何人かいる自分の葛藤。
心にぽっかりと空洞ができたような気がするとき。
人との争いだけでなく自分の中での戦いにくたびれてしまった方の
相談相手なんです。
さて、近頃は世中は何でもヤング中心に回転するのが流行の様子。
その中でひっそりとだまっているのがミドルの私達(わたくしたち)。
まあ、大声をあげずに秘やかに自分の楽しみをもつのが
ミドルの特徴とも申せましょうけれども、
今晩この時間だけは、
若い人がいくら背伸びをしてもまだ手に入れことのできない人生の年輪、
若さの上に賢さもくわえたすばらしさを、
おおいに歌いあげようではありませんか、
大人の感情を大人のために大人が歌っている、
そんな歌をご一緒に聴いてまいりましょう。
東京も梅の盛りはもうすぎ、黄色に紫色にさいたクロッカスの上に 白やピンクの花びらをちらしています。 3月6日は啓蟄とか、 虫が一斉に地上に顔を出す日だそうですが、 アメリカには、もぐらが地上に顔を出す日があります。 さむい冬がおわったかどうか、穴から顔を出し、 自分の影がうつったらまださむいと、またもぐってしまうという伝説。 この方は虫よりはやくて2月2日に顔を出し、 この日はグランド・ホッグ・ディと呼ばれています。
My Buddy
男の心、女の心。
この時間に目をさましていらっしゃるあなた、
そしてこの番組を聴いておいでのあなたはどんな方でしょう。
今、何をしていらっしゃるのかしら。
お家(うち)の方はみんな寝しずまって、
ご自分だけの時間を楽しんでいらっしゃるところでしょうか。
お仕事をなさりながらきいておいでの、ながら族。
ながら族はなにも若い人の専売特許とはかぎりませんよね。
やっと仕事から開放されてたどりついた我家、
みんなを起こさないようにと気をつかいながらネクタイなどゆるめ、
ついでにあなた専用のラジオのスイッチをひねったところでしょうか。
ヘッドフォンで自分だけの世界を作っておいでの方も いらっしゃるかもしれません。
どこで、何をしていらっしゃるんでしょうか、あなたは。
楽な姿勢とくつろいだ心でこれからの一時間、
私(わたくし)と一緒にお過ごし下さいませ。
私、私、深沢道子、精神科のカウンセラーです。
もつれた人間関係の糸をとくお手伝い。
人間関係といってもほかの人との関係だけではなくて、
自分の心の中にいる何人かの人間の戦いもございますでしょう。
たとえば、頭ではわかっいるけれども心がどうしても納得がいかないとか、
自分の本当の気持ちがわからないとか、
あたしはいったい何なんだろう誰なんだろうとか。
こんな戦いにくたびれてしまった方の相談相手です。
さて、何ごともヤング中心に回っている様に見える今日この頃。
でも、気持ちの若さの上に人生の経験を積んだ賢さのある
大人の世代はそれ以上にすばらしいもののはず。
これからの時間、ミドルパワーの良さ、
若い方がいくら背伸びをしてもまだ手に入れことのできない人生の年輪とその味を
おおいに歌いあげようではございませんか。
大人の感情を大人のために大人が歌っている、
そんな歌をご一緒に聴いてまいりましょう。
また巡ってきた金曜の夜、正確にいえば土曜日の早朝。
一週間の経つのが本当に早い気が致します。
光陰矢の如し、月日の経つのは早いもの。
考えてみれば、この番組も始まって以来もう1年半になりますの。
その間のご支援、感謝致します。
さて、今晩は曜日の話。
あなたの机の上にあるカレンダー。
日曜日に始まって土曜日に終る一週間、
その曜日の歌なんです。
あなたのカレンダー、月月火水木金金。
土曜日や日曜日は抜きの仕事中毒者のそれでしょうかしら。
それとも休日は例えば水曜日、
ですから、あなたのカレンダーは、木曜日から始まって火曜日まで。
そういえば、昔のカレンダーは、
日曜日からではなくて月曜日から始まっていたような気が致しますけれども、
如何でしょうかしら。
それとも、あなたの机の前の壁にかかっているのは日めくり。
毎日、いろいろな格言が書かれてあったりして……。
子供の頃のあなたの役目は、柱のカレンダーを一枚一枚破ること。
背伸びをして一枚、昨日のカレンダーを破るところから始まる一日。
ときに間違えて二枚破いてしまって叱られたり、
子供心に、何か重大な過ち、
一日を無くしてしまったような恐怖心にかられたことなどを
覚えていらっしゃいますか。
日曜日が大好きで、日曜日がくるのが楽しいというあなた。
あなたは健康で幸せな方のようです。
たとえ日曜日が寝て曜日でゆっくりのんびり、なんにもしないで寝てられる、
だからから好きっていう方にしても、
その前の六日間が充実している証拠でございますものね。
家族そろってゆっくり食べる朝のご飯。
子供たちと、ちょっとそこまでサイクリング。
それとも、気分転換にたまには自分で磨こうと持ち出す靴と靴墨。
そろそろ、冬をこせなかった金魚の後釜を捜しに、
早めの夕食のあと駅前の金魚屋にでかけてみる。
そんなのは皆、平凡ながら平和で息抜きができる、
無事安泰な日曜風景です。
でも日曜神経症、
サンデーノイローゼという症状があるのをご存じでらっしゃいますか。
別名、仕事中毒症ともいいます。
仕事が切れると、ちょうど麻薬が切れたときとおんなじように苛々と
落ち着かなくなって、不安でたまらない。
何にもしないでぼけっとしてひっくりかえって、
その間にバッテリをリチャージすることができない人なんです。
早く職場に戻りたい、早く仕事をしたい。
何にもすることがない日曜日なんてなければいいのに、
そんなうふうにおっしゃる方は、
誰かに必要とされていないと自分の存在価値がなくなってしまうような、
そんな不安感があるのかもしれません。
もう一つ、日曜日が嫌いなタイプ。
それは大都会に一ぼっちで暮らしている方かもしれません。
ウィークデーには職場で、少なくともお早う、
さよならくらいの触れ合いはある。
でも友達も少なく、それでなくても孤独癖のある人、
たまに誰かを誘おうと声をかけても、みんな先約済。
Lynn Anderson の歌うSunday Morning Coming Down は、
こんな気持ちを歌っています。
ごらんようを重ねた宿酔いの歌といってしまえばそれまでなんですけれども、
都会の中の独りぼっち、一人で迎える日曜日の辛さ、
悲惨さがよく歌われております。
この歌の内容はこんなふうです。
主人公は若い女の子、
どうやら相当やけっぱちで、
荒んだ生活をしているようですの。
何故って日曜日の朝、目を覚ました彼女は割れるような頭痛。
昨日呑み過ぎたのか、それともマリウァナでも吸ったんでしょうか、
彼女の朝食は冷蔵庫から出したビールの一缶。
一缶では足りずデザートもビールで済ませてしまいます。
押入を引っかき回してつまみだしたスカートは、
汚れて突っ込んでおいた中では一番綺麗なもの。
顔を洗って髪を梳かしてから、
彼女はアパートの階段を下りて外にでます。
人気のない歩道では、ちっちゃな男の子が缶蹴り遊びをしていて
缶になにやら悪態をついています。
それを見ながら彼女がつける煙草、朝の一服。
そして、夕べのことを思い出すんです。
痺れるような歌声とそこに立ちこめていた煙草の煙。
心がすっかり曇ってしまったのはそのせいかもしれません。
ぼんやりと道を渡った彼女が気付いたのは、
どっかの家で鳥の唐揚げを料理している匂い。
日曜のお昼は鳥のご馳走、
それが彼女の記憶を刺激します。
こんなになってしまう以前の彼女の生活。
知らず知らずに、いつかどこかでなくしてしまった昔の自分。
歩道を歩きながら、
ああ、いっそマリウァナかLSD で正体をなくしてしまっていればいいのに、
そんなふうに思う彼女。
公園では若い父親が小さな女の子をブランコに乗せて遊んでやっている。
そして日曜学校の脇に立ち止まって聴く、子供たちの賛美歌。
とぼとぼと家へ帰る彼女の道に響くのは、
谷間に轟く孤独な鐘の音、まるで、失ってしまった昨日の夢を悼むように。
なぜか日曜日は自分が独りぼっちだということを感じさせる。
まだ眠ったような町並み。そこに立ちつくす女の子。
Sunday Morning Coming Down
Lyrics: Kris Kristofferson
Monday, Monday
Lyrics: Neil Diamond
Weekdays Lyrics: Carole King
Je hais les dimanches Lyrics: Charles Aznavour
Wednesday's Child Lyrics: Mack David
Gloomy Sunday Lyrics: Rezso^ Seress(Sam M. Lewis and Desmond Carter)
Come Saturday Morning Lyrics: Dory Previn